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肘折温泉郷の話題

  第4回 あなたも温泉・湯治で5・7・5!!(川柳・俳句)

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第4回温泉・湯治で5・7・5(川柳・俳句)入選結果

この度は第4回「温泉・湯治で5・7・5」にご参加いただきありがとうございました。心より感謝申し上げます。
お陰さまで沢山のご応募をいただき、無事に最終結果を発表することができました。行き届かないところも多々あったと思いますが、今後ともよろしくお願い致します。
また、今後も続けて欲しいというご意見も多いので、時期をみて第5回「温泉・湯治で5・7・5」の募集を予定しておりますので、その折りにはご参加いただければ幸です。(氏名に敬称は略させていただきました)

■大賞


入浴でいつも百まで我慢した  とんちゃん(静岡)

■準賞


温泉に行くと決めたらもう元気  文海胡(茨城)

ガサガサの母の踵を手で撫でる  十六夜(神奈川)

■秀逸


ひっそりと終わった僕の秋の恋  真田義子(宮城)

湯治なう洒落たこと言うおばあちゃん  伯林(北海道)

湯につかりフーの深さが癒され度  シロ(和歌山)

日めくりに肘折と書き待つ湯治  山桜桃(神奈川)

温泉でもういいかいもういいよ  ヒロ(北海道)

秋の恋知っていたのは赤蜻蛉  あいらむ (徳島)

初恋を母が話した露天風呂  ゆうな(群馬)

幾度なくボランティアを癒した湯  船岡五郎(東京)

湯治湯でそっと育む老いの恋  銀河伝説(京都)

仮設から出て疎開する湯治宿  奴だこ(愛知)

震災の心も癒す湯のちから  つぶ焼きイモー(北海道)

■佳作


もろもろを肘折の湯でノーサイド  冨美子(愛知)
湯煙に隠れて言えたありがとう  十六夜(神奈川)
秋だって私の恋は一途です  五十路の女(栃木)
母の背にあの日この手で仮名を書き  あひる(兵庫)
この腹に何人産ませた湯に浮かぶ  冨美子(愛知)
反抗期娘の心湯にほぐれ  ムーミン (岡山)
老いらくの恋の期待も荷に詰める  卑弥呼(東京)
不倫なら燃えるだろうになあお前  隆(愛知)
退院の父を迎える湯治風呂  ヒロ(北海道)
温泉が待っているのに柿たわわ  門脇 かずお(鳥取県)

 

着信音ずーっと待っている夜長  加藤 鰹(静岡)
祖父の恋毎年秋に語られる  夏多感(長崎)
十和田湖の秋に沈めておいた恋  みぢんこ(香川)
紅葉(もみじ)観に母を連れ出す車椅子  登美姫(山口)
リストラで長い湯治が叶えられ  永楽(愛知)
絵手紙に紅葉ひと葉が畏まる  満風(山口)
命日の母と二人で露天風呂  らくちゃん(埼玉)
雪囲い終えた八十路を待つ湯船  中年やまめ(神奈川)
収穫を終えて妻との湯の旅へ  山海の珍味(神奈川)
のんびりと湯治にこらっせ身一つで  窓辺舎人(愛知)

 

子と温泉ほんのり紅葉小さな手  旅のものナスビ(京都)
見納めの温泉巡り老妻と  湯  好夫(埼玉)
湯けむりに寄り添う二人秋の恋  ミニロック(兵庫)
北の宿妻とはじめて家族風呂  チョークまみれ(大阪)
湯けむりに妻のエクボが見え隠れ  尼の政爺(兵庫)
朝市へ湯の香の残る浴衣がけ  ごっちょさん(埼玉)
過去現在未来のボディを見る湯船  文海胡(茨城)
蔦紅葉津軽の富士と露天風呂  かばさん(千葉)
人に触れ湯治に恋も少し癒え  三等華(福岡)
帰省するように今年も来る湯治  みぢんこ(香川)

 

台風に耐えた柿の実そっと撫で  銀次郎(千葉)
朝採れた西瓜ぶら下げ父が来る  登美姫(山口)
検査値を忘れ肘折湯につかる  比呂子(愛知)
おふくろと親父モミジの彩になる  てじま晩秋(埼玉)
湯治場に妻を誘った退職金  チョークまみれ(大阪)
湯に浮かぶ紅葉のように揺れる恋  りのんぱ(東京)
肘折をリセットキーに使ってる  比呂子(愛知)
読効能湯に母と入り治るから  猿人類(京都)
山の幸持ち寄り湯治顔なじみ  ゆみえ (愛知)
孫の手と同じ紅葉がお湯に降る  よったんぼうや(東京)

 

ヨサコイの声日本を元気付け  水品団石(静岡)
気がかりは温泉を出たあとの猿  五時ゆうご(神奈川)
途中下車君と出会った秋の駅  真田義子(宮城)
恋唄を翅(はね)で一節(ひとふし)秋の虫  はとぐるま(神奈川)
老夫婦貸切露天で月に照れ  まあちゃん(千葉)
肘折に父母も入った露天あり  てじま晩秋(埼玉)
肘折に晩婚旅行秋の恋  右田俊郎(東京)
湯治旅父の夢継ぎ肘折に  朗人(三重)
秋の恋燃えて釣瓶の落ちぬ間に  山桜桃(神奈川)
蝶々も陽を浴びながら秋の恋  ポンタロウ(熊本)

 

露天風呂四季折々のお湯加減  シロ(和歌山)
キノコ追い下ばかり見る紅葉狩り  五時ゆうご(神奈川)
混浴と 勇んで行けば 足湯です  だじゃれまん(神奈川)
肘折の秘湯に妻のはしゃぎをり  ごっちょさん(埼玉)
胎内の子にも効き目を美人の湯  ムーミン (岡山)
抱き運ぶ稲穂今年の陽の匂い  はとぐるま(神奈川)
砂浜の恋は続くよお湯の宿  よったんぼうや(東京)
収穫を喜ぶ父母と湯治宿  ゆうな(群馬)
痴話げんか雪で冷やして湯で癒し  ほっとパンチ(埼玉)
冬を越え春に花咲け秋の恋  中川潔(福井)

 

湯上りの彼女の顔はさくらんぼ  ブヨ(神奈川)
肘折の訛り懐かし美人の湯  とうちゃん(東京)
採れたての 新米で炊く栗御飯  みゃんくん(静岡)
稲干してガードレールも黄金色  中川 きよし(福井)
失恋の湯治済ませて次の恋  世界の波平(栃木)
東北弁湯治の客も和やかに  朗人(三重)
失恋の涙もそっとお湯に消え  食の秋さん(大阪)
モミジより真っ赤な顔してプロポーズ  冨松 実(神奈川)
ケータイを棄てて肘折水入らず  航(愛知)
アキの来ぬ肘折湯治に秋が来た  薬寺村 池丸(愛知)

海が好き 山好き温泉 もっと好き  桃玉(岡山)
収穫を終えて案山子に礼を言い  酒乱Q(千葉)

 

 

 

 

※2011年10月31日締め切り・11月29日発表。投稿者数 153人。投稿句総数 293句。

■作品への思い。

 

■大賞:

○入浴でいつも百まで我慢した  とんちゃん(静岡)
なぜお風呂で数えさせるんだろう。と思っていたのに、いま自分の娘にも同じことしています 。(香)
子供の頃を思い出します。(栗)
分かりやすい言葉で分かりやすい句だが、殆どの人の心にスッと入ってくる何かがある。素朴な懐かしさというか、率直で不器用なところが良いのかもしれない。(柴)

 

 

■準賞:

○ガサガサの母の踵を手で撫でる  十六夜(神奈川)
湯治や温泉に行った時くらいが、ゆっくりと母と触れ合える時かも 。(香)
ガサガサの踵の感触が伝わってくる。それは母の苦労の手触りのようで切なくもある。手で撫でる、に愛情を感じる。(柴)
 

○温泉に行くと決めたらもう元気  文海胡(茨城)
病は気から・・・ですね 。(香)
温泉へ行くという張り合いができて、元気になることもあると思う。温泉の効能ともいえる。(柴)

 

 

■秀逸:

○湯治湯でそっと育む老いの恋  銀河伝説(京都)
恋をしていると主人公になれますよね。一生主人公 。(香)
 

○ひっそりと終わった僕の秋の恋  真田義子(宮城)
ほろ苦い思い出は、時を経るといい色に変わるかもしれないです 。(香)
 

○日めくりに肘折と書き待つ湯治  山桜桃(神奈川)
旅行は行く前も楽しいのよね 。(栗)
 

○湯につかりフーの深さが癒され度  シロ(和歌山)
思わず頷いてしまいました 。(栗)
 

○初恋を母が話した露天風呂  ゆうな(群馬)
結婚を決めた娘が嫁入り前に温泉を訪れ、母娘のわだかまりも一緒に打ち解け流れたような温かい句です 。(澤)
 

○湯治なう洒落たこと言うおばあちゃん  伯林(北海道)
いつまでも若いお婆ちゃんでいて欲しい思いが伝わってきます。(澤)
 

○幾度なくボランティアを癒した湯  船岡五郎(東京)
本年度の震災絡みの一句なので選びました。(澤)
 

○秋の恋知っていたのは赤蜻蛉  あいらむ (徳島)
赤蜻蛉と恋の対比が夕焼けのような何ともいえない切なさを感じさせる。(柴)
 

○仮設から出て疎開する湯治宿  奴だこ(愛知)
仮設住宅で暮らすことは想像を絶する過酷さがあると思う。疎開せざるを得ないやりきれない思いは当事者でなければ分からないだろう。お湯に浸かるだけでも気持ちが安らぐのでは。(柴)
 

○震災の心も癒す湯のちから  つぶ焼きイモー(北海道)
震災間もない頃、被災者の方が自衛隊やボランティアのお湯に入る様子がニュースで放送されていた。海外のニュースでも話題になったようだ。日本人にとってお湯は力の源そのものだと思う。(柴)
 

○温泉でもういいかいもういいよ  ヒロ(北海道)
昔、家族が男湯と女湯に別れて入った時など、仕切り越しに声を掛けたりしたものだ。もういいかいもういいよ、は鬼ごっこのようで楽しい。(柴)


 

■佳作:
○恋唄を翅(はね)で一節(ひとふし)秋の虫  はとぐるま(神奈川)
秋の音色は、恋唄だったんだと改めて気づかされた 。(香)
 

○反抗期娘の心湯にほぐれ  ムーミン (岡山)
一緒に旅行に行こうと誘った親心がわかる気がする 。(香)
 

○老いらくの恋の期待も荷に詰める  卑弥呼(東京)
いつまでも恋をしていきたいな 。(香)
 

○子と温泉ほんのり紅葉小さな手  旅のものナスビ(京都)
温泉は親も子も楽しめる!。(香)
 

○この腹に何人産ませた湯に浮かぶ  冨美子(愛知)
女の人ってすごいよね。人間を製造しちゃうんだから、と私も自分ののびたお腹を慰めます 。(香)
 

○見納めの温泉巡り老妻と  湯  好夫(埼玉)
この世でのパートナーにありがとうと言っているように聴こえます 。(香)
 

○読効能湯に母と入り治るから  猿人類(京都)
信じることの大切さ。治るといいですね 。(香)
 

○山の幸持ち寄り湯治顔なじみ  ゆみえ (愛知)
湯治の醍醐味って温泉に入るだけじゃないんだよね 。(香)
 

○過去現在未来のボディを見る湯船  文海胡(茨城)
生々しい描写であり壮大な句。湯船は、タイムマシンだったんだ 。(香)
 

○不倫なら燃えるだろうになあお前  隆(愛知)
不倫なんて不謹慎かもしれないけど、恋の極意かも。自分の奥さんに不倫するならね 。(香)
 

○孫の手と同じ紅葉がお湯に降る  よったんぼうや(東京)
もみじと孫、かわいい孫が脳裏に浮かびます 。(香)
 

○気がかりは温泉を出たあとの猿  五時ゆうご(神奈川)
わたしもずっと気がかりです 。(香)
 

○混浴と勇んで行けば足湯です  だじゃれまん(神奈川)
男心を素晴らしくガッチリ掴んだ1句だと 。(栗)
 

○アキの来ぬ肘折湯治に秋が来た  薬寺村 池丸(愛知)
句の調子が良いかと 。(栗)
 

○もろもろを肘折の湯でノーサイド  冨美子(愛知)
裸の付き合いはお互いに信頼し合う仲でもあると思う。ノーサイドは言い得て妙である。(柴)
 

○湯煙に隠れて言えたありがとう  十六夜(神奈川)
面と向かって感謝の言葉を言えない気持ちがよく分かる。素直になることは大切である。(柴)
 

○秋だって私の恋は一途です  五十路の女(栃木)
秋も一途です、と言い切れる作者に拍手を送りたい。そういう気持ちがうらやましい。(柴)
 

○母の背にあの日この手で仮名を書き  あひる(兵庫)
親子のふれあいは何かきっかけがないとできないことが多い。例えば病気になったりケガをしたり。それ故に母の背は愛おしくなる。(柴)

 

 

 

 

※選考は、(日本温泉・湯治575委員会)肘折がドッと混む運営スタッフ、並びに肘折温泉の方々、柴崎昭雄によって行われました。選考過程では作者名を伏せ、選句いたしました。


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