第1回 あなたも温泉・湯治で5・7・5!!(川柳・俳句)
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第1回温泉・湯治で5・7・5(川柳・俳句)入選結果
この度は「温泉・湯治で5・7・5」にご参加いただきありがとうございました。心より感謝申し上げます。
お陰さまで沢山のご応募をいただき、無事に最終結果を発表することができました。行き届かないところも多々あったと思いますが、今後ともよろしくお願い致します。
また、今回、予想以上に好評だったため、冬にも「温泉・湯治で5・7・5」の募集をする予定ですので、その折りにもご参加いただければ幸です。(氏名に敬称は略させていただきました)
■大賞
肘折の湯治でほぐす赤い糸 長戸 康孝 (埼玉)
■準賞
いつになく父と話した朝の風呂 橋立 ちほ (宮城)
あったかい湯も朝市の婆ちゃんも 中川 久美 (山形)
■秀逸
朝涼や湯桶のひびく山の宿 中原 徳子 (東京)
温泉で大往生をしたくなる 池田 功 (神奈川)
苦労した妻に三食昼寝の湯 長戸 康孝 (埼玉)
朝市の情も湯治の旅みやげ 福島 敏朗 (神奈川)
温泉宿三年ぶりの妻の酌 今田 浩二 (徳島)
いい湯だな宿の時計は止めておく 風間なごみ (山梨)
夫言う美人になって戻って来い 古賀由美子 (佐賀)
肘折の朝市で買ういい笑顔 加藤 鰹 (静岡)
■佳作
湯治に名借りて余生の垢落とす 加藤 順一 (愛知)
湯の宿で素直に言えたありがとう 永井 慶信 (長野)
湯上りの妻に恋する宿浴衣 石川 照夫 (神奈川)
人生の疲れも癒す湯治客 島田 利幸 (徳島)
効能は女将で決まる美人の湯 石川 照夫 (神奈川)
湯治場で治りませんねと5歳の子 渡部 智美 (北海道)
湯につかり生命線を延ばす母 吉川 恭子 (大阪)
古希祝しばし湯治の客となる 竹重 満夫 (山口)
泉質の違いがわかる齢(とし)になり 脇本 啓子 (奈良)
温泉で湯上り美人増産中 よしだ こう (茨城)
生命線みるみる延びる湯治の湯 石平 笑子 (新潟)
肘折で妻といただく一目惚れ てじま晩秋 (埼玉)
肘折の秘湯に晩婚旅行の夜 右田 俊郎 (神奈川)
鼻歌が混じる温泉街の下駄 磯島 雅男 (青森)
疲れたら足湯へ戻る旅の町 松下 弘美 (兵庫)
浸かるほど綺麗になれる気がするの 箱崎 美月 (神奈川)
極楽が近く感じる湯の中で 三春屋ニイサン (山形)
湯の香り添えて肘折からメール 竹重 登美子 (山口)
効能を読んでから効く湯治の湯 馬場崎 満義 (福岡)
露天風呂夫婦触れ合い酔芙蓉 永井 慶信 (長野)
肘折の湯の香恋しい出羽の旅 梶 美奈子 (千葉)
満月を捕えるお湯が張ってある 松下 弘美 (兵庫)
湯治場でよく顔合わし妻となる 瀬尾 恵子 (栃木)
湯の里の地獄めぐりで親孝行 三上 智子 (北海道)
湯治して平均寿命超えてやる 柳谷 益弘 (静岡)
宇宙より温泉が好きフルムーン 沢田 正司 (愛知)
湯治泊治療しながら友が出来 井上 清 (和歌山)
湯の中で話弾んでのぼせ気味 塚野 広孝 (新潟)
肘折で君と温泉ひざ枕 岸野 孝彦 (兵庫)
捻挫した猿も来ていた山のお湯 板垣 孝志 (奈良)
猿じゃない俺だ俺だよ露天風呂 武藤 喜明 (東京)
村営の温泉で見る遅桜 松本祐子 (愛知)
湯治場に笑い声する木霊する 里 (広島)
湯治だとひと月仕事を休みたい 今田 浩二 (徳島)
湯治して折れた心を伸ばしたい 小原 久美子 (愛知)
湯治場で痩せた女房の腰を揉み 小林 功 (千葉)
肘折でラッコになってるメタボパパ 大本 和彰 (愛媛)
長生きの秘訣は肘折年に二度 中川久美 (山形)
肘折は自然すてきでお湯すてき 竹重 満夫 (山口)
温泉で盛り上げているクラス会 島田 利幸 (徳島)
喧嘩した夫婦の傷を湯が治め 馬場崎 満義 (福岡)
身と心癒してくれる魔法の湯 田村優子 (東京)
湯治場で治療談義に花が咲く 渡部智美 (北海道)
湯治場にそのうちやって来る地球 門脇かずお (鳥取)
定年の安堵が浮かぶ露天風呂 小田中準一 (千葉)
温泉って良いな心があったまる 佐野 由利子 (静岡)
※2009年8月31日締め切り・9月20日発表。投稿者数 64人。投稿句総数 119句。
■作品への思い。
○湯治場で直りませんねと5歳の子
大人たちが言っているのを良く聞いてますね。作者の苦笑いが伝わってきます。
○湯治場でよく顔合わせ妻となる
これは同病相憐れむというか、その成れの果てということでしょうか。 まあ、末永くお幸せにどうぞ。
○夫言う 美人になって戻ってこい
これは快く送り出すのは芸がないので、せめてお土産代わりに美人になれよ、
と言ってやる、一種の心遣いでしょうね。まあやっかみという人もいるでしょうけど。
○ 肘折の 湯治でほぐす 赤い糸
体の凝りと共に、いとしい結びつきもほぐれてくる。大事な伴侶との大切な結びつきがほぐれる寂しさ、それと同時に開放感を感じる。いつかいとしい人とも別れの時が来るのだから、それもいいかなと。人間は年をとるごとに自由になっていくのかも。
○温泉で 大往生を したくなる
お風呂で死ぬおじいちゃん、もしかしたら「幸せだ〜」と思った。誰にもいつか来る死を受け入れて、しっかりと死と向き合えば、死は忌み嫌うべきものだけではないように思う。
○ 湯治に名借りて余生の垢落とす
余生の垢とはどんな悪いことをされているのかしら。清廉潔白で生きたいけれど、現世は愚痴、ひがみ、悲しみ、辛いことがたくさんある。悪いこともすることがある。人はそんな自分の悪や痛みを湯治でいやしているのかも。
○ 極楽が近く感じる湯の中で
肘折温泉は極楽と隣り合わせ?肘折温泉には極楽への入り口があるとかないとか・・・
○ 泉質の 違いがわかる 齢(とし)になり
いい年の取り方をしたいなあ。
○ お湯好きが 終着駅ない お湯めぐり
どこのお湯が良いと決めつけたくない。無類の温泉好きでありたい。
○ いつになく 父と話した 朝の風呂
男同士が仲良くしているのって見ていてほのぼのする。子どもが仲良くしているように見える。
○ 湯治だと ひと月仕事を 休みたい
サラリーマンて大変だよな。1ヶ月くらい休ませてあげたい。
○ 苦労した 妻に三食 昼寝の湯
楽して遊び暮らすより、大変なことはあるけれど最後に「苦労させたね」と言ってもらえるほうがうれしい。
○温泉宿三年ぶりの妻の酌
○夫言う美人になって戻って来い
○湯治場で痩せた女房の腰を揉み
上記3句とも長年連れ添ったからこその深い夫婦愛を感じる川柳ですね。
妻の酌、夫言うの2句は旦那さんの方に若干照れがある雰囲気が微笑ましいです。
腰を揉みの句は、奥様の支えあってこそ今があるという御主人の感謝の気持ちがにじみ出ていて涙を誘います。
■大賞:
○肘折の湯治でほぐす赤い糸
長年連れ添ったご夫婦、若い新婚夫婦や恋人同士、そして倦怠期のご夫婦。それぞれの赤い糸には様々な絡まり方があるでしょう。その大切な絆でもある赤い糸がほぐれ、ぽかぽかにあったかいものになれば何よりの幸福だと思います。
そんな微笑ましい光景が浮んだ一句でした。
■準賞:
○いつになく父と話した朝の風呂
父子の関係は、母娘とはまた違って、ぎくしゃくしたり、ぎこちない関係になっていることが多いでしょう。親子で背中を流しながら話をするのも心まであったまる光景です。
○あったかい湯も朝市の婆ちゃんも
旅先での人と人との出会いは奇跡に近いものがあるかもしれません。朝市で出会った婆ちゃんもお湯のようにあったかい存在だったのでしょう。
■秀逸:
○朝涼や湯桶のひびく山の宿
音の持つ情景が映像となって見えてきます。小気味良く気持良い一句です。
○温泉で大往生をしたくなる
「大往生」、これは最高の感嘆詞だと思います。
○苦労した妻に三食昼寝の湯
苦労させた覚えのある方なら見逃せない一句。苦労させられた方も見逃せない一句。
○朝市の情も湯治の旅みやげ
朝市の醍醐味は、実際に足を運んでみないとなかなか味わえない。まだの方はぜひ、肘折の朝市へ。
○温泉宿三年ぶりの妻の酌
普段から仲の良いご夫婦でしょう。きっと、これからも仲良く温泉の旅をするのでしょう。素敵なことです。
○いい湯だな宿の時計は止めておく
言い得て妙。至福のときには、いつまでも浸っていたいものです。
○夫言う美人になって戻って来い
この言葉を言える夫にエールを送りたいです。素敵な夫婦の姿です。
○肘折の朝市で買ういい笑顔
笑顔を買う。決してお金では買えない地元の財産です。
※選考は、(日本温泉・湯治575委員会)肘折がドッと混む運営スタッフ、並びに肘折温泉の方々、柴崎昭雄によって行われました。選考過程では作者名を伏せ、選句いたしました。